最近のAIは自分で考えて自律的に行動し、人間のチェックすら不要にするレベルまで進化してきています。
開発作業を自動化してくれる「Antigravity CLI(コマンド: agy)」を使っている中で、「これ、いちいち人間が確認しなくても最後までやってくれないかな?」と思うことがありました。調べてみると、やはり設定次第で完全にAIに任せきりにすることが可能だったので、今回はその手順を共有します。
人間の確認を不要にする「always-proceed」設定
Antigravity CLIは、デフォルトでは安全性を重視しています。ファイルを作成したり、システムに変更を加えるようなコマンドを実行したりする前には、必ず人間に対して「実行していいか?」と承認を求めてくる仕様(request-review)になっています。
これを always-proceed というモードに変更することで、確認プロンプトが一切出なくなり、AIが完全に自律してタスクを最後まで実行してくれるようになります。
設定を変更する方法は以下の2パターンあります。
方法1: CLI画面から設定する(おすすめ)
一番簡単で安全なのは、CLIを起動した状態で設定画面を開く方法です。
- ターミナルで
agyと入力し、Antigravity CLIを起動する。 - 入力欄で
/config(または/settings)と打ち込んでEnter。 - 全画面の設定パネルが開くので、「Tool Permission」を選択する。
- 選択肢の中から always-proceed を選ぶ。
これだけで設定が保存され、すぐに自律モードが有効になります。
方法2: 設定ファイル(JSON)を直接編集する
設定ファイルを直接書き換えることも可能です。MacでもLinuxでも、パスは同じでした。
- ファイルパス:
~/.gemini/antigravity-cli/settings.json
キー名は画面上の表示(Tool Permission)とは違って toolPermission です。ここに値を書きます。
{
"toolPermission": "always-proceed"
}
保存してAntigravity CLIを再起動すれば反映されます。ただしキー名を間違えても黙って無視されるだけで、エラーも出なければ設定も効かない、という気づきにくい失敗をします。方法1の /config から選べば正しいキーで書き込まれるので、特別な理由がなければそちらを使うほうが確実です。
/config で変えられるのはコマンド実行だけではない
Tool Permission を always-proceed にしても、止まるところではまだ止まります。承認まわりの設定が1つではないからです。実際に /config を開いて数えたら、自律性に効く項目は4つに分かれていました。
| 設定項目 | 効く対象 | 選択肢 |
|---|---|---|
| Tool Permission | ターミナルコマンドの実行 | request-review(既定)/ proceed-in-sandbox / always-proceed / strict |
| Agent Mode | ファイルの編集 | default / accept-edits / plan |
| Artifact Review | 実装計画などの成果物レビュー | asks for review / agent decides / always proceeds |
| Non-Workspace Access | ワークスペース外のファイル | on / off(既定 off) |
それぞれの選択肢には、CLIの画面上で説明文が出ます。要点だけ拾うとこうなります。
Tool Permission
request-review— Allowリストにないコマンドは毎回確認するproceed-in-sandbox— サンドボックス内で走るコマンドだけ自動実行し、外に出るものは確認するalways-proceed— Denyリストにあるもの以外は確認しないstrict— 読み取り以外のすべてのツールで確認する
Agent Mode
default— 標準accept-edits— ファイル編集は自動承認、コマンドは確認するplan— 変更を加えず、調査と計画だけする
Artifact Review
asks for review— 毎回レビューを求めるagent decides— 内容の複雑さを見てエージェントが判断するalways proceeds— 一切求めない
つまり「ファイル編集はもう任せていいが、コマンドだけは目を通したい」という中間の運用ができます。Agent Mode を accept-edits、Tool Permission は request-review のまま、という組み合わせです。私はいまこれに Artifact Review の always proceeds を足した状態で使っていて、承認を求められる回数がかなり減りました。
Agent Mode は shift+tab でその場で切り替わる
Agent Mode に関しては、/config を開く必要すらありません。入力欄で shift+tab を押すたびに default → accept-edits → plan と巡回し、いま何モードかは画面下部に出ます。設定を変えたことを忘れて事故る、という事態は起きにくい作りです。
一度きりなら起動オプションで済む
設定ファイルを触らずに、そのセッションだけ全部許可することもできます。
agy --dangerously-skip-permissions
ヘルプ上の説明は「Auto-approve all tool permission requests without prompting」。フラグ名がここまで直球なのは、それだけ常用してほしくないという意思表示でしょう。サンドボックスと併用するなら agy --sandbox --dangerously-skip-permissions になります。
⚠️ 運用上の注意点(High autonomy, high risk)
この always-proceed モードですが、公式ドキュメントでも「High autonomy, high risk(高い自律性と高いリスク)」と警告されています。
確認なしでターミナルコマンドを実行したり、ローカルのファイルを直接書き換えたりする権限をAIに持たせることになります。意図しない破壊的な操作が行われたり、関係のないファイルまで変更されてしまうリスクがあるため、安全な環境(サンドボックス内など)で試すか、プロジェクトのバックアップをしっかり取った上で活用するのが無難です。
ここで効いてくるのが、さきほどの表の Non-Workspace Access です。既定の off のままにしておけば、暴走してもワークスペースの外までは手が届きません。Tool Permission を always-proceed に上げるなら、この2つはセットで考えたほうがいいと思います。
しばらく使ってみて、私はいきなり always-proceed にするより Agent Mode の accept-edits から始めるほうがいいと感じました。承認プロンプトの大半は結局ファイル編集で、コマンド実行はそこまで頻繁ではありません。編集だけ自動承認にすると体感の面倒くささはほとんど消えて、それでいて rm や git push の前には止まってくれます。
完全に手放しで作業が進むのは魅力的ですが、リスクを理解した上でうまく使いこなしていきましょう。
2026-08-07追記: Antigravity CLI 1.1.10 で設定画面を確認し直し、settings.json の正しいキー名(toolPermission)と、Agent Mode・Artifact Review・Non-Workspace Access についての記述を追加しました。