毎年夏になると「もう何もできない」と思っていた。8月は外に出た時点で負け、作業なんて論外、涼しくなるまで待つしかない、と。

でも最近になって、私が本当に嫌だったのは暑さそのものではなかったことに気づいた。汗だ。汗でべちゃべちゃになる、あの感触が嫌なだけだった。

暑さで死ぬかというと、実は死なない

32℃くらいの屋外というのは、体感としてサウナに比べたら全然ぬるい。サウナには自分から入りに行くのに、夏の外は嫌だと感じる。この差は温度ではなくて、汗の処理をしているかどうかだと思う。

サウナでは汗をかくことが前提になっていて、あとで流すことも決まっている。夏の屋外では、汗が垂れっぱなしのまま行動しなければならない。不快さの正体はそこにある。

一番やばいのは額、次が首

汗が出る場所の中で、実害が大きいのは順番がはっきりしている。

まず額。ここから垂れてくると目に入る。メガネをかけていればレンズに付くし、下を向いた拍子にポタポタ落ちる。これが精神的にかなりくる。

次に首。頬のあたりから伝ってきた汗が首に溜まると、常にまとわりつく感じが残る。

逆に、鼻の下あたりはそこまでかかない。胸や背中は服が吸って蒸発してくれるので、実はそれほど問題にならない。

対策は三点だけ

額にはバンダナを巻く。 これで垂れてくる分を全部吸ってくれる。目に入らないし、メガネも汚れない。

首にはタオルを巻く。 頬から伝ってくる分を受け止めてくれるので、首のべたつきがなくなる。濡らして巻けば、首を通る太い血管が冷えて体感温度も下がる。乾いたタオルのままだと汗を吸って蒸発を邪魔することがあるので、たまに絞ったり水をかけ直したりするといい。

服は汗を吸う素材にする。 吸わない生地だとテラテラして気持ち悪くなる。吸って蒸発してくれるものを着るほうが快適に過ごせる。

この三つをやると、感覚としては「汗が出ていない」状態になる。実際には出ているのだが、垂れてこないので不快さがほとんど消える。

注意点

汗をかいていないように感じてしまうので、水分補給をつい忘れる。ここは感覚に頼らず、時間で区切って飲んだほうがいい。垂れてこないだけで、水分は確実に出ている。

あとは、なるべく日陰で作業すること。この装備は汗の不快さを消すものであって、暑さそのものを消すものではない。

これで何ができるか

自転車の空気を入れる、チェーンに油を差す、といった細かい用事が炎天下でも普通にこなせる。町内会の仕事——掲示板の張り替え、町の清掃、ポスター配り——も毎月あるが、この格好でやれば「ちょっと暑いな」くらいで済む。

もちろん家に帰ったら風呂には入る。そこは覚悟がいる。冬なら何もしなくても平気なので、そういう意味では冬のほうが楽ではある。

ただ、8月は完全に行動不能というわけではない。準備さえすれば、外で作業もできるし、遊びに行くこともできる。長いこと諦めていたぶん、これに気づけたのはよかったと思っている。